後悔しない!相続対策「相続と遺言のトリセツ」

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司法書士  「役員変更の登記手続きが完了いたしました。社長も息子さんが御立派で・・・・いやいや失礼しました。今回の役員変更で社長が「会長」となって、これからは息子さんが「社長」でしたね。」

 

会長 「え〜、今では、うちの長男が事業を切り盛りし売り上げも順調です。もう社長の座も長男に譲って、頼もしいばかりです。あとは、事業が順調に進むよう後ろからバックアップするだけです。」
 
司法書士 「会長が亡くなったあとの会長名義の店や土地などの不動産の引き継ぎは大丈夫ですか?
実質的事業は、世代交代して引き継ぎが終わってると思いますが、たしか不動産の名義は会社ではなくて会長個人の名義でしたよね。

会長 「いやいや大丈夫ですよ。子どもは、三人いるけど、二男は東京でサラリーマン、長女も嫁いで、安心しです。みんな仲が良いので、長男にすべて任せるって言ってくれると思いますよ。」
 
司法書士 「会長、ちょと待ってください。会長のお子さん達は、多分、問題ないとは思いますが、「備えあれば憂いなし」ですよ。」

 

そうなんです。

 

司法書士は様々な相続手続きの仕事をしているので、特に「備えあれば憂いなし」がどれだけ大事か身に染みて感じているのです。


環境や経済状況で考えは変わる。

実際の遺産相続の手続きでは、様々な人が遺産の分け方に口を出し泥沼化することがシバシバあります。

 

仮の話ですが・・・・

 

数年後・・・・・会長がお亡くなりになりました。・・・・

 

次男の務める会社が上手くいっていないようで、なかなか昇給しません。すっかり次男は奥さんの尻に敷かれてしまいました。
 
次男の妻 「あなた、ただでさえ安月給なんだから、子どもの進学もあるし、これからお金もかかる一方なんだからお義父さんの遺産の件、ちゃんとお義兄さんと話ししてね。」

 

次男 「うっ、うん…」

 

今は大丈夫だとしても、長い人生の間、人それぞれの置かれた状況・環境で考えが変わってしまうこともあります。

 

また本人は良くても、本人の周りの人間が口出しせざるを得ない状況に置かれてしまうこともあります。

 

このようなってしまったら、最悪の場合、相続によって資産が分散してしまい、事業が成り立たなくなる恐れがあります。

遺産分割の手続き

預貯金口座は、金融機関が被相続人の死亡を知ると、すぐに凍結されて使用できなくなります。

 

しかも、預貯金の相続手続を行うには、遺産分割協議書にご自身と兄弟姉妹など相続人全員の実印の押印と印鑑証明書の添付が必要となります。

 

不動産についても、名義変更するには遺産分割協議書が必要です。

 

兄弟姉妹など相続人全員の協力がないと、家業を継いだ長男の名義に変更することができません。

 

最悪の場合、兄弟姉妹の協力が必要なことをいいことに、自身の相続分以上の割合での分割を要求するかもしれません。

 

納得いかない場合は、家庭裁判所の調停や審判により取り決めることも可能ですが、それでは、時間がかかってしまいます。

 

そうならないため、万が一のときのため、事業に必要な資産を後継者が相続できるように、遺言書を作成しておけば安心です。

 

但し、財産の全て承継者に相続させると、他の相続人の「遺留分(いりゅうぶん)」の問題が発生しますで、他の相続人への配慮と、その対策も必要となります。

備えあれば憂いなし

 

何事も準備をする、しないとでは大違い。

 

相続が発生した場合は、親族間で揉めることなく、スムーズに行いたいものです。その為にも事前にある程度の相続の手続きの流れと注意点を押さえておく必要があります。

 

ある意味これも、「相続対策」であり、最近巷で言われている「終活」とも言えるでしょう。

 

なかでも。自分の親族の状態や相続のトラブルを回避するための遺言について一度考えてみることは、大切です。

 

                                                      
また、遺言書は、貴方の人生を写す、残された親族へのメッセージです。
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