後悔しない!相続対策「相続と遺言のトリセツ」

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最近、「終活」がブームになっているようですが、「争族」という言葉も良く聞きますよね。これは、遺産を巡って家族同士が争う様子を表現した言葉の語呂合わせです。

 

皆さん、くれぐれも将来の「相続」が「争族」にならないように注意しましょうね……

 

そんな話をすると、意外と皆さん他人事で、「うちの子ども達に限って、揉めるなんてことはない。親の遺産分けは円満にできるはず」と考えている方が多くいらっしゃいます。

 

たしかに、そう信じたいのが人情です。

 

しかし、残念ながら実際は遺産分割となった場合、家庭円満は幻想だったと言う場面がしばしばあります。

 

なぜ、そんなことになってしまうのでしょうか。

 

それでは、ある夫婦の会話にちょっと耳を傾けてみましょう。

 


「あなた、そういえば、お義父さんの遺産ってどうなったの?」

 

「もうそろそろ、兄貴から遺産のことで相談がある頃かも知れないなぁ。」


「お義兄さんとは何か取り決めをしていたの?」

「いや、ちゃんと決めていたわけじゃないけど、兄貴は実家の事業を継いでいるし、土地と屋敷をそのまま引き継ぐことになるだろうね。これから兄貴のところは祭事だ何だって金がかかるし、両親の面倒も義姉さんに見てもらっていたしね。」

「実家の事業を継いでいるもの、親の面倒を見ているたもの分かるけど、うちの家計もあんまり楽じゃないんだし。 きっちり、もらえるものはもらっておけば? だいたい、お義兄さんのところの○○○ちゃんはお義父さんの援助で東京の大学まで出してもらって、他にも……」

 

 何やら雲行きが怪しくなって来ましたね。

もうお分かりですね。


「争族」とならないためには。

「争族」となる理由は実に簡単です。

 

人が亡くなったあとの遺産の取り決めは、法律上の相続人だけの問題では収まらないからです。

 

現実の遺産相続は、財産を相続できる人の妻や夫、子供やその他友人など、様々な刺客が登場します。想定外の刺客が多数登場してくるので、予想に反した結果も起きてしまうのです。

 

例えば・・・・・・

 

「奥さんの実家の父母」が奥さんの有利になるようアドバイスしてきたり
「世話好きの伯母さん」が色々な情報を与えて混乱させたり、
「法律にちょっと詳しい知人」が出てきて、おかしな手段を勧め出したり

 

こういう登場人物は、亡くなった故人と家族(相続人)のことは、ないがしろに都合の良い情報だけを提供してきます。

 

次男は実家を出て、「両親との同居」や「両親の老後の介護」から解放されたこと。

 

長男は、その責任から実家の事業を継ぎ、家業を切り盛りし、長男の妻は、両親の介護をしてきたこと。

 

次男は、これまでの事を考え、自分を納得させて、相続できる権利を多少なりとも譲歩しようと思っていたのかも知れません。

 

しかし、様々な登場人物からの意見を聞いているうちに、自分自身の現状を考え、それが自分の妻や子のため、今後の生活のため、経済的に正しい行為だろうかと考え出します。

 

そこに「貰えるものは貰っておけば?」の妻のひと言。これで次男はノックアウトです。

 

当初、自分が感じた考えも一気に弱まっていきます。さらに、「実家を守るなんて考え方はきれい事で、妻の言うとおり、今はそんな時代じゃない。」

 

そして、ついには「兄貴、今回の相続では、すまないがきちんと権利を主張させてもらうよ」という態度へつながります。

 

長男は、よもや次男がそんな態度を示してくるとは予想もしていません。

 

今度は長男の方に、またまた「奥さん」や、「親戚の叔父さん」、「同級生の法律家」などの登場人物が現れます。

 

こうして、遺産をめぐる争いが泥沼化するのです。

 

このケースのように、次男の考えが変わってしまい、兄弟の関係が悪化してしまった原因は、両親にもあるでしょう。

 

もし、親の世代が率先して「実家と遺産は長男が相続すべきである」といった考えがあり、家業を守りたかったのであれば、遺言書を用意して、長男が引き継ぐ旨を書いておくべきでした。

備えあれば憂いなし

「うちの子に限って、相続で揉めるなんてことはない」という思いがあると、たしかに遺言書を作成する手が止まりがちになります。しかし相続は「うちの子」だけの問題ではありません。その妻や夫、親戚や知人などのにが思わぬ影響を及ぼすのです。

 

残された家族のため、もしものための、相続対策は必要です。

 

「備えあれば憂いなし」  準備をする、しないとでは大違い。

 

相続が発生した場合は、親族間で揉めることなく、スムーズに行いたいものです。その為にも事前にある程度の相続の手続きの流れと注意点を押さえておく必要があります。

 

ある意味これも、「相続対策」であり、最近巷で言われている「終活」とも言えるでしょう。

 

なかでも。自分の親族の状態や相続のトラブルを回避するための遺言について一度考えてみることは、大切です。

 

                                                      
また、遺言書は、貴方の人生を写す、残された親族へのメッセージです。
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